日本のほぼ中央、南飛騨の山間、南北28km(七里)に10の集落がつらなり、
馬瀬川が貫いて流れる森と清流の里。
「馬瀬七里十里五十淵」という不思議な言葉を口にすると、岩と淵瀬がつくる
変化に富んだ水辺の風景と、自然と調和した暮らしが浮かんできます。
全国の釣りファンが憧れる馬瀬川と、緑あふれる水源の山々は自然環境、歴史文化が優れた地域として、「日本で最も美しい村」連合に加盟しています。
「全国水の里百選」や「水源の森百選」、「平成の名水百選」などにも選ばれ、2003年には、世界中から美しい街づくりに取り組んでいる都市や農村を選ぶ「ネイション・イン・ブルーム2003」で銀賞を受賞しました。
平成26年には、美しい村のモデル集落である西村地区を、集落まるごと「馬瀬里山ミュージアム」に指定しました。
里山ミュージアムでは、集落や川で、さまざまな体験観光プログラムが開かれ、
グリーン・ツーリズムの舞台として、地域活性化を図っています。
馬瀬川の鮎は、味、香り、形がよいことで有名です。平成19年に「全国利き鮎会 in TOKYO」でグランドチャンピオンに輝きました。これは、高知県で行われる全国利き鮎会が10周年を迎えたことを記念して、同大会の暦年チャンピオン・サブチャンピオン17河川から全国一を決めた大会です。
上質なコケを食べて育った鮎は「香魚」とも称され、スイカに似た甘い香りをほのかに放ちます。そのハラワタは微かな苦みを伴った甘さです。
村のどこにいてもせせらぎが聞こえる馬瀬川は、馬瀬の人々にとって心の支え。水源の森から湧き出す山水を、きれいなまま馬瀬川に流すため、低農薬で丹精込めた棚田づくりが行われています。気温差の大きな山間地で、美しい水を利用して栽培されるコシヒカリは「まぜひかり」と名付けられ、おいしいと評判です。
馬瀬川の下流には、東海三県約900万人に生活用水や農業、工業用水を供給する「東海の水瓶」岩屋ダムがあります。馬瀬地域には、名古屋市を中心とした多くの人々に生命の水を届ける源流の村として、水源を守る矜持があります。 |
渓流釣りの名人が「魚は森を見てとれ」と言うとおり、馬瀬川の鮎と美しい村には深い関係があります。
森は湧水を生み、魚の棲み場や餌となる昆虫を生み、水と土は川に流れてプランクトンやコケを育てます。馬瀬は森林面積が95%を占める山村ですが、実にその1/4以上を魚を育てる「渓流魚付き保全林(けいりゅううおつきほぜんりん)」に指定して、守る取り組みを行っています。
平成のはじめ頃、旧馬瀬村が進めた観光開発により、釣り客が年間4万人程度だった馬瀬に30万人もの観光客が押し寄せました。その一方で、環境の悪化を懸念した人々により、馬瀬川の生態系を軸にした地域づくりが始まりました。
水源の森は豊かな水を生み出します。
山水は丹精込めた棚田を潤し、人々は山里の恵みを朴葉に包みます。
里をめぐる水は、馬瀬川に流れて豊かなコケを育て、渓流魚のふるさとになります。
森・農地・川・人が共生する農村生態系「馬瀬川エコリバーシステム」が、おいしい鮎と美しい風景を育てます。
鮎の良さは水の良さ。いいコケをたっぷり食べた鮎はスイカの匂いがします。水を守るために、間伐を進めて健康な山をつくる取り組み、丹精込めた農業の取り組みと共に、釣り客にも、マナーを守って自然と共生する魚釣りを楽しんでもらいたい。馬瀬川周辺に公衆トイレを整備し、指定場所以外でのキャンプ、バーベキューは禁止するなど、人にも魚にも気持ちよい川づくりに取り組んでいます。 |
|
美輝の里では、丹精込めて棚田で栽培された「まぜひかり」を食事で提供しています。また売店でも販売していおり、馬瀬のお米はとても美味しいと評判が高く、お土産として買い求められています。食事やお土産だけでなく、春の田植え体験、秋の稲刈り体験を行っており、馬瀬の暮らしに触れることができます。また温泉を湧かすのには、ペレットボイラーを使い、下呂市内から出た木くずを市内のペレット工場で、固形燃料にし、燃料の地産地消によって、年間約400トンのCO2削減に貢献しています。 |
馬瀬川の子どもたちは、川漁師に憧れ、馬瀬川で遊んで育ちます。
鮎漁を嬉しそうに語る笑顔は、幸せそのもの。
ここには、馬瀬川を通して大人になる、素直でポジティブなエネルギーがあります。
初秋の馬瀬川で、落ち鮎をかがり火と松明で網に追い込む馬瀬川火ぶり漁では、夕闇の川に潜り、
鮎を追う勇壮な姿を見ることができます。
自称「日本一小さな道の駅」道の駅馬瀬美輝の里の直売所を運営するのは、女性グループ「さんまぜ工房」の皆さん。 馬瀬の味を伝えるため、商品開発に取り組んで生まれた郷土の味覚、朴葉すしやねずしの販売は、予約がすぐ埋まる人気商品。定番のお土産も手作り商品が並んでいます。 |
鮎釣り客で賑わった馬瀬には、山村ながら開放的な雰囲気があります。外国人バックパッカーが村を歩き、沢のぼりや森林冒険プログラム「下呂アスレチック」を楽しんでいます。大人も外国人も童心に返ります。 |
馬瀬の自然と人の素晴らしさが忘れられず、岐阜市からⅠターンで移住しました。 |
4月 | ◆村の祭礼
4月~5月にかけて、各集落の神社で神楽獅子の奉納など、1年の豊穣と平安を祈る春祭りが行われます。 |
---|---|
5月 | ◆龍の瞳、まぜひかりの田植え
日本一「龍の瞳」、馬瀬特産「まぜひかり」の田植え体験。秋にはお米がついてくる。 ◆新緑を訪ねる 5月~7月にかけて、新緑がまぶしい季節を迎えます。 ◆沢のぼり・下呂アスレチック 5月~10月。沢のぼりと森の空中散歩で童心に返る ◆朴葉すし 5月~8月。初夏の馬瀬の味覚。 |
6月 | ◆鮎釣り解禁
鮎の友釣り解禁(6月下旬) ◆蜂蜜採集 日本古来の養蜂技術を守り伝える農園で、蜂蜜採集の体験ができる |
7月 | ◆水源の森を訪ねて
■老谷自然の森(川上)ブナの原生林、■水源の森(黒石)日本水源の森百選、 ◆夏秋トマト 高冷地で育つトマトは甘みが強くフルーツのような味わい。 ◆ブルーベリー狩り 7月中旬~8月。お土産付き。 ◆馬瀬川の鮎 7月~10月。日本一の鮎を味わう |
---|---|
8月 | ◆馬瀬川花火大会
8月下旬。夏の終わりを飾る一尺玉の飛騨最大級の花火大会。 ◆清流馬瀬川火ぶり漁 8月~9月。落ち鮎を炎と音で網に追い込む伝統漁。 ◆網の解禁・落ち鮎漁 鮎の網漁解禁 ◆龍の瞳、まぜひかりの稲刈り 食味日本一「龍の瞳」、馬瀬特産「まぜひかり」の稲刈り体験。 |
10月 | ◆紅葉を訪ねて
10月末~11月。 |
---|---|
11月 | ◆あったかまつり
馬瀬清流の里健康ウォーク・地産地消イベントが美輝の里周辺で行われます。 ◆赤かぶ漬け 赤かぶを冷たい冬の水で洗い、漬物を作ります。 |
12月 | ◆花もちづくり
厳しい冬に彩りを添えるため、紅白餅を花に見立てて飾った飛騨の風物詩です。 |
1月 | ◆ねずし「冬やわい」
さんまぜ工房で12月~1月に販売 ◆かんじきツアー 雪の積もった馬瀬北部の雪原を、手作りカンジキで歩くツアーです。 |
---|---|
2月 | ◆馬瀬川上流アマゴ釣り解禁
雑魚解禁(2月下旬) |
3月 | ◆山菜の季節
3月~6月。フキ、タラの芽、ヨモギ、ワラビ、コンテツ、コゴミ、山ウド、アズキナなど。 |